高尿酸血症・痛風

 

高尿酸血症は、①尿酸賛成過剰型(12%)、②尿酸排泄低下型(60%)、③混合型(25%)に大別される。

 

 

排泄低下型と産生過剰型に鑑別することは成因を調べ、尿酸降下薬を選択する上で重要です。血清尿酸値は摂取した食事・飲酒により変動するため、少なくとも3日間はプリン体の多い食事や飲酒を制限し、24時間蓄尿と血液検査を行って1日尿中尿酸排泄量、尿酸クリアランス、クレアチニンクリアランスを計算して鑑別します(表)。

 

 

しかし、蓄尿や食事の制限を行わなくてはならず、外来診療では困難を伴います。そこで一般的に試験当日早朝より絶食した後、飲水負荷し、60分間採尿で行います。さらに、これも困難な場合や急を要するときは、随時尿の尿中尿酸値(mg/dl)と尿中クレアチニン値(mg/dl)の比を計算して大まかな鑑別ができます。

 

 

ただし、これらの検査は利尿剤や消炎鎮痛剤などの尿酸代謝に影響のある薬剤を服用している場合は2週間程休薬して実施します。

 

 

表.高尿酸血症の病型分類

検査項目

基準値

排泄低下型

産生過剰型

尿中尿酸排泄量(mg/kg/h)

0.48~0.51

0.47以下

0.52以上

尿酸クリアランス(mL/min)

6.2~12.6

6.1以下

6.2以上

尿酸クリアランス/クレアチニンクリアランス比(%)

5.5~11.1

5.4以下

尿中尿酸/クレアチニン比

0.4以下

0.8以上

 

診断

 

痛風発作中に血清尿酸値は必ずしも高値とはかぎりません。

 

 

治療

  • 降圧療法中の血清尿酸値の管理目標は 6mg/dL以下の維持を目指す。

 

  • NSAID投与が無効であった場合や、多発性に関節炎を生じている場合には経口で副腎皮質ステロイドを投与する。

 

  • 痛風発作時に血清尿酸値を変動させると発作の増悪を認めることが多いため、発作時に尿酸降下薬を開始しない。

 

  • 尿酸降下薬は痛風関節炎の寛解約2週後から少量(ベンズブロマロン12.5mg、アロプリノール50mg)で開始する。

  

  • 尿酸排泄促進薬を使用する場合は尿路結石の発現に注意し、尿アルカリ化薬を併用する。

 

  • 尿酸排泄促進薬を投与している場合は、尿酸結石を防ぐため尿pH を6.0-7.0に保つ 

 

  • 尿酸降下薬投与時に痛風関節炎が起こった場合にも尿酸降下薬を中止しない。

 

 

 

尿酸降下薬のSEには十分に注意する(下記の表参照)

 

  • プロベネシド:再生不良性貧血
  • ベンズプロマロン:劇症肝炎
  • アロプリノール:Stevens-Johnson症候群

生活指導

  • プリン体の制限は事実上困難なので、摂取する総エネルギーの制限に移行している。
     
  • アルコールはプリン体の有無に関わらず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるので、過剰摂取は慎むべき。日本酒1合、ビール500mlが目安量である。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版 ダイジェスト版.pdf
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