足関節脱臼骨折(SE stage 4)
骨折無し
(正常 / 足関節外側靭帯損傷)
症状
足関節周囲の外傷のほとんどは、足関節を内側に捻って生じます。足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)であることが多いですが、足関節脱臼骨折の場合もあります。
足関節外側靭帯損傷では歩行可能な場合が多いですが、足関節脱臼骨折では足を着いて歩行することは困難になります。
原因・病態・診断
足関節脱臼骨折ではLauge-Hansenの分類が有用です。
最初の用語が「足部の肢位」、2番目が「下腿に対する距骨の動き」を示します。
文章では難しいですが、素晴らしい動画がありますので是非視聴してください。
1.Supination-external rotation (回外―外旋)
高頻度に見られ、前脛腓靱帯損傷に次いで外果のらせん骨折がおこります。重症になれば後果骨折、内果骨折も伴うことがあります(三果骨折 Cotton骨折)。
2.Pronation-external rotation (回内―外旋)
内果の横骨折が生じる。重症になれば、前脛腓靱帯損傷に次いで外果より高位の腓骨らせん骨折が生じ、後果骨折も生じることがあります。
3.Supination-adduction (回外―内転)
外果の横骨折が生じ、次いで内果の垂直方向に骨折線が入る骨折を生じます。
4.Pronation-abduction (回内―外転)
内果の横骨折が生じ、次いで外果の短い斜骨折が生じます。
捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節包が損傷することです。靭帯の損傷程度によって、捻挫の程度を三つに分けています。靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、靭帯が完全に切れるものを3度捻挫と定義しています。
治療
1度捻挫と2度捻挫では、応急処置の基本と同様にRICE処置をおこないます。 3度捻挫では、RICE処置をおこない、さらに2~3週間の固定をすることがあります。
足関節脱臼骨折は、整復位が得られても保持が難しい不安定性が強い例や、十分な整復位が得られない場合は関節内骨折なので少しでも転位があれば、手術が必要になります。