まず、日本人に多い内側型OAの場合、通常立位正面で外側関節裂隙が開きます。術中は外側の靱帯バランスに内側を合わせてreleaseしていくので、下記のごとくになります。
外側の骨切り量+立位正面での裂隙のスペース
= インプラント+インサートの厚み
従ってこの段階でインサートが厚すぎる場合は内側のwedge等も考慮しなければいけません。
大腿骨ガイドロッドのエントリーポイントは、大腿骨骨軸の延長線上です。したがって、必ずエントリーポイントが大腿骨遠位のどこになるかを記録しておく必要があります。大腿骨外顆の低形成がある場合、エントリーポイントがかなり内顆寄りにくることがあるのです。これで決定した大腿骨の骨軸を用いて外反骨切り角を決定します。脛骨に関してはこちらを参照してください。
エントリーポイントの位置は非常に微妙なので、X線フィルムに直接マーキングすることをお勧めします。同様に大腿骨・脛骨の内外顆の骨切り量も非常に微妙なので、X線フィルムに直接マーキングする方がよいかもしれません。
最後にまとめると、TKAの術前計画において実際的に最も重要なポイントは下記の4つです。
① 単純X線像の2方向でのインプラントのテンプレーティング
② 立位下肢全長像での外反骨切り角
③ 立位下肢全長像での大腿骨側髄内ガイドのエントリーポイント
④ 立位下肢全長像での大腿骨・脛骨内外顆の骨切り量