整形外科領域において、股関節外科は重要な分野のひとつです。ただ、症例が膝関節や脊椎ほど多くないため、大規模な基幹病院以外ではあまり経験できないのが現状です。このため実力のある股関節外科医の数は、脊椎や膝関節などと比べて少ないのが現状です。
将来、股関節外科を専門にしようと思うのなら、日本股関節学会への入会を検討するべきでしょう。ただし2013.10月時点で日本股関節学会には専門医制度がありません。
例に漏れずこの領域も進歩が早く、一般の整形外科医師が系統的な知識を得ることは難しいと思います。おおざっぱでもいいので、股関節外科の概念を習得しておかないと整形外科医としては片手落ちです。”変形性股関節症―基本とUP TO DATE”は、そんな一般整形外科医師のニーズにぴったりの書籍です。
2008年発刊の『変形性股関節症診療ガイドライン』に準拠しており、ガイドラインの情報を臨床の現場で活用できることを目的として上梓された書籍です。ボリュームはそれほど多くないので、辞書的に用いるのではなく全体を一読して股関節外科の概念を理解するのに適しています。
執筆者は、日本全国の一線級の股関節外科医をほぼ網羅しています。内容の偏りも少なく、現状の股関節外科のトレンドに即した書籍といえます。
下記は、大阪大学の菅野先生が編集された書籍です。人工股関節全置換術の書籍の中では、最もお勧めの書籍です。