メインの病院のみの勤務であれば、仮に医療事故が発生した場合でも、その病院が加入している病院賠償責任保険で対応可能なことがほとんどです。
しかし、アルバイトに行っている場合には、アルバイト先で医療事故が発生した場合に備えて、医師賠償責任保険に加入しておく必要があります。
実はアルバイトのみではなく、メインの病院であっても異動の可能性を考えると、不可抗力の事故も多いので医師賠償責任保険への加入は必須かもしれません。
この医師賠償責任保険は結構高価で、1事故について最大2億円の支払限度額を確保しようとすると、団体割引の利く民間医局 などで申し込んでも保険料は年間46,000円程度掛かります。
仮に20年間保険料を支払い続けた場合、総額が100万円近くになってしまいます。米国と比べると破格に安い保険料らしいのですが、それでも100万円はかなり大きな金額です。
医師賠償責任保険の保険料を安くする方法が無いかを調べたところ、意外なところに抜け道があることを発見しました。その方法とは「日本医師会」に入会することです。
日本医師会は、47の都道府県医師会から構成されており、それぞれの医師会は独立した法人組織です。まず地区医師会と都道府県医師会に入会した上で、日本医師会へ入会します。
日本医師会医師賠償責任保険の保険料は日本医師会の会費の中から自動的に支払われますので、同会の会員が損害保険会社と個別に保険契約の手続きを取る必要はありません。
保険会社から損害賠償金として支払われる補償限度額は1事故あたり最大1億円、年間1億円となっており、訴訟費用、弁護士費用等の訴訟費用は別枠となっています。
もし、勤務先の病院が日本医師会への加入を推奨しており、年会費(=16万円程度)を負担してくれるのなら、日本医師会へ加入することで医師賠償責任保険に無料で加入できるのです!
尚、下記の点には注意が必要です。
① 日本医師会医師賠償責任保険の免責金額は100万円
② 日本医師会には医師賠償責任保険未加入のタイプがある
勤務先の病院が日本医師会の年会費を負担してくれるのなら問題無いのですが、年会費を負担してくれない場合には、2割の団体割引が利く民間医局 の医師賠償責任保険を推奨します。
最高の1事故につき最大2億円の支払限度額であっても、保険料は年間58,000円 → 46,000円程度となります。10分程度のネット上の手続で完了するという利便性もメリットです。