友人の整形外科開業医や税理士にヒアリングした限りでは、整形外科医師一人の年間医業収益の最大値は12000~13000万円程度のようです。医業収益高経常利益率40%と考えると経常利益は、5000万円程度を見込めます。
これ以上の収益をあげるには、デイケアを併設したり医師を雇ったりという事業拡大を行う必要があります。尚、眼科であれば20000万円を越える年間医業収益のクリニックもあります。
一人の整形外科開業医で達成できる経常利益は、~5000万円(平均2500万円)です。この数字を高いとみるか低いとみるかが、開業するかどうかの判断の分かれ目だと思います。私は、意外と整形外科開業医の所得は低いという印象を抱きました。
2012年12月現在の時点で、専業主婦と子供2人で年収5000万円の場合、所得税額は1312万円(26.3%)、個人住民税額527万円(10.5%)で合計1839万円(36.8%)となります。更に社会保険料が差し引かれるので、可処分所得は2800万円程度になります。融資を受けている場合には、更に2800万円から元金部分が差し引かれます。
もちろん法人化すると所得の分散を図れますので、もう少し手残り金額は増えます。しかし、最大の可処分所得が3500万円程度では、背負っているリスクや労働時間を考慮するとそれほど割りに合う金額ではないように感じます。
開業医は経営者なので、比較対象は一般事業法人の経営者です。背負っているリスクは同程度なのに、一般事業法人の経営者の報酬と比べるとやや所得の天井が低いのではないでしょうか。
もう一度下記にクリニック開業のメリット・デメリットをまとめます。クリニック開業のメリットは下記の如くです。
① 参入障壁が非常に高い
② 継続通院を見込める患者さんが多い
⇒ ストック型ビジネス
③ 保険診療なので一般事業法人と比較して未収金リスクが少ない
④ 子供に医学部に進学できる学力がある場合には、クリニックの『看板』という無税の資産を贈ることができる
一方、注意するべき点は下記の如くです。
① 基本的にはSクワドラントである
⇒ 自分の時間を切り売りするビジネスモデル
② 開業医自身が、全ての収益の源泉である
⇒ 人一倍健康に留意する必要がある
ここまで検討してくる過程で友人や先輩医師にヒアリングしていて気付いたのですが、やりかた次第で勤務医でも開業医と同等以上の可処分所得を得ることができる手法があります。詳しくはこちらをご覧ください。