整形外科専門医取得後(7年目以降)であれば、誰でも一度はクリニック開業を検討するべきだと思います。
率直に言って開業するのであれば、早ければ早いほど成功する可能性が高くなります。整形外科専門医を取得した翌年にリウマチ専門医を取得(8年目)するとして、開業の準備期間が1年の場合には、卒後10年目を開業の目標とするのがベストではないでしょうか。
開業するのか勤務医を続けるかの最も大きな判断材料は、クリニック開業でどの程度の収益を見込めるかだと思います。もちろん、個々の人生設計や医師として何を目指すのかも大事ですが、お金に不自由すると人生の幅が狭くなるので、収益性を考えることは重要だと思います。
そこで、具体的に開業医の収益構造を検討してみました。もちろん立地条件や個々の能力の違いが大きいので正確な判断は不可能です。したがって大雑把な判断しかできませんが、開業の概要を把握するのであれば充分だと思います。
まず、平均的な整形外科開業医(個人の無床院外処方のクリニック)の収益構造は下記の如くとなります。ざっくりみて勤務医の約2倍の年収(1300万円 vs. 2600万円)と判断してよさそうです。
医業収益 9180万円(765万円/月)
経常利益 2607万円
損益分岐点医業収益高 6216万円(518万円/月)
医業収益高経常利益率 28.4%
(参照: TKC医業経営指標2004年版)
※ 経常利益とは、診療報酬から薬剤費・検査費・人件費・水道光熱費・支払利息・賃料などクリニックを運営していくために必要な費用を差し引いて残った利益を言います。院長の給与は経常利益から捻出されます。