まず、脛骨結節部は電気メスで骨膜剥離の取っ掛かりを作ります。コブやエレバトリウムで剥離してもよいのですが、骨膜を破る取っ掛かりがあるとスムーズに剥離できます。
脛骨内側のreleaseは脛骨結節上縁位(関節面から2cm位=MCL深層停止部)まで、一気に剥離します。剥離しすぎてMCL深層停止部を破綻させるとまずいので、慣れないうちは脛骨結節上縁に停止するG, STを直視で確認しておく方が安心かもしれません。
下腿を外旋しながら背側にエレバトリウムやラスパトリウムを挿入できるまで骨膜下に剥離します。まず第一にこの処置を行い、出来るだけ早く背側に到達するのが肝要です。尚、上記の操作は通常の内側型OAに関するもので、外反膝等の特殊な症例ではこのかぎりではありません。
次に、早い段階でACLを切離して脛骨を前方に引き出せるようにします。ACLを電気メスで切除してからレトラクターを脛骨後顆に掛けて脛骨を前方に引き出し、内外側の半月の後方半分を切除します。少し怖いですが、思い切って脛骨を前方に引き出した方が手術を行いやすいです。