大腿骨のラスピングの際に、予定サイズに至らないことがあります。そのような場合に、そのままワンサイズアンダーやツーサイズアンダーで設置してしまうと、術後単純X線像で皮質骨とステムの間に結構な間隙を認める場合があります。これは比較的若年者で多い傾向にあります。
ラスピングの際に、海綿骨の削りカスが髄内に残ります。この削りカスがラスプの挿入を妨げることが、予定サイズに至らない原因のひとつなのです。これを回避するために、私達は最終ラスプに近づいてきたら必ず髄内を洗浄するようにしています。
この髄内洗浄操作を行うことで、最終ラスプのサイズがワンサイズ弱程度はアップする印象です。最終ラスプ直前に髄内洗浄することをルーチンワークに組み込むことで、ほぼ予定サイズのステムを挿入することが可能となります。
下記は、大阪大学の菅野先生が編集された書籍です。人工股関節全置換術の書籍の中では、最もお勧めの書籍です。