整形外科医のキャリアパスを考えてみます。卒後10~15年ぐらいすると、開業(もしくは継承)するかどうかの選択を迫られます。 また、勤務医のままだとしてもどのようなカタチで働くかを考えなければいけません。
通常の社会と違って勤務医の場合は、大学病院や日赤など規模の大きい病院であるほど給与や労働環境が悪く、小規模な病院ほど待遇が良くなります。
もちろん規模が大きい病院ほど様々な症例を経験できますが、小規模病院では高齢者の大腿骨近位部骨折や圧迫骨折しか経験できないこともあります。
このような前提で考えると、専門医を取得するまでは規模の大きい医療機関で経験を積み、10年が過ぎて自分の専門分野をある程度習得した段階で、ワークライフバランスを重視して規模の小さい病院で勤務するのが勤務医の理想的なキャリアパスのひとつかもしれません。
では、開業医はどうでしょうか。医院経営も一般の小売・サービス業と同じで立地が重要です。人の集まる街中では既に良い立地はほとんど押さえられているため、新規開業は他人のテリトリーに攻め込む覚悟が必要です。
継承なら立地や初期費用はさほど問題無さそうですが、自分の専門性へのこだわりの気持ちをいかに整理するかが、スムーズに継承する上で重要となります。
新規開業なら借り入れ返済期間を15年程度と考えると少なくとも45歳ぐらいまでには開業する必要があります。40歳ぐらいまでに開業する方が理想でしょう。継承の場合も親の年齢が30歳程度年上であることが多いため、40歳がひとつの目安になると思います。